日本語でよく使う「また」は英語では状況や文脈によって異なる表現になります。「again」「also」「in addition」など、多様な言い方があり、それぞれの使い分けが大切です。この記事では、「また」の英語表現を文法や場面別にわかりやすく解説します。
1. 「また」の基本的な英語表現
1.1 again:繰り返しを表す「また」
「again」は、すでに行われたことが再び起こる場合の「また」に使われます。
例文:
I want to see you again.
He made the same mistake again.
何度も行われる行動、出来事などの文脈に適しています。
1.2 also:追加情報を加える「また」
「also」は、「〜もまた」「〜に加えて」といった追加的な意味で使われます。
例文:
She speaks English. She also speaks French.
I like sushi. I also like ramen.
文の中では動詞の前、あるいは文末に置かれることが一般的です。
1.3 in addition:よりフォーマルな「また」
「in addition」は、書き言葉やフォーマルな場面で使われます。「その上」「加えて」という意味です。
例文:
In addition to his job, he volunteers at a shelter.
The room is spacious. In addition, it has a great view.
2. 文脈別に見る「また」の英語表現
2.1 挨拶や別れの場面での「また」
別れ際や再会の予定を示すときの「またね」「また会おう」は次のように言えます。
See you again.
See you later.
Until next time.
例文:
Thanks for today. See you again soon!
I had fun. Until next time!
2.2 質問の繰り返し・確認で使う「また」
「また聞いてもいい?」「またそれ?」など、繰り返しの動作に対しては「again」を使います。
例文:
Can I ask you again?
Not that question again!
カジュアルなやり取りでもよく使われます。
2.3 別の項目を列挙する「また」
何かを追加で挙げる場合、「also」「too」「besides」などを使います。
例文:
He’s a good writer. Also, he’s a talented musician.
I want to go to New York. I also want to visit Boston.
「besides」は会話でややカジュアルな印象を与えます。
3. 書き言葉で使う「また」
文章表現では「また」に対応する多くの英語表現があります。
3.1 furthermore / moreover
「さらに」「その上」といった意味で、「また」に近い機能を果たします。
例文:
The project was completed on time. Furthermore, it stayed under budget.
Moreover, the data supports our hypothesis.
フォーマルな文書やレポートに適しています。
3.2 what's more
「さらに」という意味で会話文にも書き言葉にも使える表現です。
例文:
She passed the exam. What’s more, she got the highest score.
親しみやすい文体のエッセイなどにも適しています。
3.3 as well
「〜もまた」という意味の「また」として使われる副詞です。
例文:
He likes football. He likes baseball as well.
文章の最後に来ることが多く、書き言葉でも会話でも使われます。
4. 否定文で使う「また〜ない」
4.1 either
否定文で「〜もまた〜ない」と言いたい場合、「either」を用います。
例文:
I don’t like coffee. I don’t like tea either.
She isn’t coming today. He isn’t either.
「too」ではなく「either」を使うのがポイントです。
4.2 neither
「neither A nor B」は「AもBも〜ない」という表現で、「また〜ない」のような意味を持ちます。
例文:
Neither John nor Mary came to the meeting.
5. 自然な会話での「また」の使い分け
5.1 会話で避けたい直訳表現
日本語の「また」を直訳して「mata」と英語に入れることはできません。文脈に応じて自然な英語に置き換えることが重要です。
5.2 英語ネイティブがよく使う置き換え表現
Again(再び)
Also(〜もまた)
Too(〜も)
As well(〜も)
In addition(加えて)
どれを使うかは、話す内容と口調のバランスによって異なります。
6. よくある間違いと注意点
6.1 alsoとtooの使い分け
どちらも「〜もまた」を意味しますが、使いどころが少し異なります。
also:文中または文頭
too:文末に置くのが一般的
例文:
I also went to the concert.
I went to the concert too.
6.2 againの乱用
「again」は繰り返し動作のときのみ有効です。「追加」の意味で使うのは不自然です。
不自然な例:
I like sushi. I like ramen again.(×)
正しい表現:
I like sushi. I also like ramen.
7. まとめ:「また」の英語は文脈で選ぶ
「また」という日本語は便利ですが、英語に訳すときは文脈に応じて「again」「also」「in addition」などの異なる単語を使い分ける必要があります。会話、書き言葉、フォーマルかカジュアルかによって最適な表現が異なります。英語学習においては、こうした微妙なニュアンスの理解が、自然な英語を話すための鍵となります。