仮定法過去完了は、「もし〇〇していたら、△△だったのに」というように、過去に起こらなかったことを仮定して話す際に使う重要な文法です。

英語学習者にとって難しいポイントの一つですが、ルールをしっかり理解すれば、正しく使いこなせます。

本記事では、仮定法過去完了の基本ルール、具体的な例文、間違えやすいポイントについて詳しく解説します。

1. 仮定法過去完了とは?

仮定法過去完了とは、「過去に実際には起こらなかったことを仮定して表現する文法」です。
たとえば、
If I had studied harder, I would have passed the exam.
(もっと勉強していたら、試験に合格していただろう。)

この文では、実際には勉強しなかったために試験に合格しなかったという状況を表しています。

仮定法過去完了の基本構造

仮定法過去完了の文は、以下の構造を持ちます。
If + 主語 + had + 過去分詞, 主語 + would/could/might + have + 過去分詞

例文
If she had left earlier, she would have caught the train.
(彼女がもっと早く出発していたら、電車に間に合っていただろう。)
If I had known about the meeting, I could have attended.
(その会議について知っていたら、出席できたのに。)

2. 仮定法過去完了の使い方

仮定法過去完了は、主に過去の出来事に対する「後悔」や「別の可能性」を表す際に使います。 これは、英語の表現力を高めるうえで非常に重要な文法の一つであり、過去の出来事を振り返って「もし違う選択をしていたらどうなっていたか」を考える際に頻繁に用いられます。 特に、話し手が「こうしていればよかった」「あのとき別の行動をしていたら結果が変わっていたかもしれない」と強く思う場面でよく使われます。

後悔を表す場合

過去に起こらなかったことを悔やむ場合、仮定法過去完了が使われます。 これは、過去に取らなかった行動や誤った選択を振り返り、「あのとき違う決断をしていれば結果が変わっていたかもしれない」と感じるときに用いられる表現です。 日常会話でもよく使われ、試験の結果や仕事のミス、人間関係の後悔など、さまざまな場面で役立ちます。

例文
If I had studied more, I would have gotten a better score.
(もっと勉強していたら、もっと良い点数を取れていただろう。)
➡ 実際には勉強しなかったため、良い点数が取れなかったことを悔やんでいる。
I wish I had told her the truth.
(彼女に本当のことを言っていたらよかったのに。)
➡ 実際には本当のことを言わなかったため、それを後悔している。
If we had left earlier, we wouldn’t have missed the train.
(もっと早く出発していたら、電車に乗り遅れなかったのに。)
➡ 実際には遅く出発したため、電車に乗り遅れてしまったことを悔やんでいる。
She regrets not studying abroad. She says, "If I had studied abroad, I would have improved my English more."
(彼女は留学しなかったことを後悔している。「もし留学していたら、もっと英語が上達していただろう」と言っている。)
➡ 実際には留学しなかったため、英語の上達に対して後悔していることを表している。

別の可能性を示す場合

仮定法過去完了は、実際には起こらなかったが、別の可能性を考える時にも使われます。 これは、特定の出来事が異なっていたら結果が変わっていたかもしれない、という可能性を示すための表現です。 過去の出来事を振り返って、「もし違う選択をしていたらこうなっていたはずだ」と述べる際に用いられます。

例文
If it had not rained, we would have gone on a picnic.
(雨が降らなかったら、ピクニックに行っていただろう。)
➡ 実際には雨が降ったため、ピクニックには行けなかったが、もし晴れていたらピクニックを楽しんでいたはず、という別の可能性を示している。
If he had taken my advice, he might have avoided the problem.
(彼が私のアドバイスを聞いていたら、その問題を避けられたかもしれない。)
➡ 実際には彼はアドバイスを聞かなかったため、問題が起こってしまったが、もし助言を受け入れていたら別の結果になっていた可能性がある。
If I had brought my umbrella, I wouldn’t have gotten soaked.
(傘を持ってきていたら、びしょ濡れにならなかったのに。)
➡ 実際には傘を持ってこなかったため、雨に濡れてしまったが、もし持っていたら濡れずに済んだ可能性を示している。
If she had taken the job offer, she would be working in New York now.
(もし彼女がその仕事を受けていたら、今ごろニューヨークで働いていただろう。)
➡ 実際には仕事を受けなかったため、ニューヨークでは働いていないが、もし受けていたら違う未来があったことを示している。

3. 仮定法過去完了を使った特殊な表現

仮定法過去完了は、「I wish」や「If only」を使った表現にもよく用いられます。

I wish + 仮定法過去完了

「I wish + 仮定法過去完了」は、「~していればよかった」と過去の後悔を表す表現です。

例文
I wish I had brought an umbrella.
(傘を持ってきていればよかった。)
I wish she had told me the truth.
(彼女が本当のことを言ってくれていたらよかったのに。)

If only + 仮定法過去完了

「If only + 仮定法過去完了」は、「~していればよかったのに」と強い後悔を表す表現です。

例文
If only I had left home earlier!
(もっと早く家を出ていればよかったのに!)
If only she had listened to my advice.
(彼女が私のアドバイスを聞いていればよかったのに。)

4. 仮定法過去完了の間違えやすいポイント

仮定法過去完了は、よく間違えやすいポイントがあるため、注意が必要です。

If節と主節の時制の一致

If節は「had + 過去分詞」、主節は「would/could/might + have + 過去分詞」にするのが基本です。

誤った例:
If I studied harder, I would have passed the test.
(時制が一致していない)

正しい例:
If I had studied harder, I would have passed the test.

「was」と「were」の使い分け

仮定法では、主語が「I」「he」「she」でも「were」を使うのが一般的ですが、口語では「was」も許容されます。

例文
If I were you, I would have taken that opportunity.
(もし私があなたなら、そのチャンスを掴んでいただろう。)

5. まとめ

仮定法過去完了は、「過去に実際には起こらなかったことを仮定する」ための重要な文法です。

• 基本形:If + had + 過去分詞, 主語 + would/could/might + have + 過去分詞
「後悔」「別の可能性」を表現する時に使用
「I wish」「If only」と組み合わせて使うことも多い

この文法をしっかりマスターすれば、より自然で豊かな英語表現ができるようになります。ぜひ、例文を参考にして練習してみてください!

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